嘘つきお嬢様は、愛を希う
◇
次の日から、私は学校に行かなくなった。
誰に声をかけられても部屋にこもり続けて、ただひたすらに窓の外にある空を見上げていた。
雲に半分隠れた月は、ひどく悲しげに私の瞳に映る。
もしかしたらおとぎ話のかぐや姫は、月に帰る時こんな気持ちだったのかもしれない。
──ここは、私のいるべき場所じゃない。
分かっていた。
最初から、ずっと。
だからこそ、みんなと近づけば近づくほど焦燥が胸を占めてたまらなくなった。
……理月に惹かれれば惹かれるほど、泣きたくなった。
きっとこんな日が来ることを、あの総長さんはどこかで分かっていたんだろうけど。