嘘つきお嬢様は、愛を希う


「椿桐乃のスマホにハッキングされた跡があった。恐らくスマホを通してこちらを四六時中監視し、チャンスを窺っていたんだろうな」


「ふうん……それってつまり、アタシたちの情報も筒抜けだったってこと?」


「そういう事だ」


「……暇なの?って言いたくなるけど、まあしてやられたね。どうする理月」



一同の顔がいっそう曇る。


だが、まぁ予測していなかったわけではなかった。


ここまでスパイが実体として見つからないにも関わらず、桐乃の動向を知りこちらが手薄になる瞬間を狙えるほどの監視手段はそう多くない。


正直、一番厄介なことをしてくれたものだが。

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