嘘つきお嬢様は、愛を希う


「三代目を復活させるなら、俺じゃなくこいつに言え」


「……気づいてんならもっと早く開けなよ」


「あいにくお前が困るのを見るのは割と好きな方でな」


「櫂もだいぶひねくれたなあ。だいたい四代目の俺をすっ飛ばして三代目に戻るってどうなんだ。なかなかに複雑なもんがあるぞ」



ぶつぶつと文句を言いながら姿を見せたふたりに、俺を含めたその場の全員の目が見開かれる。



「……なんで」


「なんでも何も、呼ばれたから来たんだよ」


「俺はちょうど昨夜こっちに着いて、たまたま雅んとこにいたから着いてきた。久しぶりだな、お前ら」



三代目の雅さんと四代目の柊真さん。


思いもよらない登場に呆気に取られていた瀬良と風汰が、思わず、といったように顔を見合わせる。

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