嘘つきお嬢様は、愛を希う


「ちなみに、俺たちだけじゃないから」


「え?」


「ちょっと待ってて」



そう言ってどこか不機嫌そうに廊下を歩いていった雅さんが、その後連れて戻ってきた人たちは。


──あまりに、予想外で。



「おお! ねえねえれいたん、結構変わってんねー! ていうか、俺らの時代よりだいぶ広くない?」


「……ねむ、い……」


「あぁちょっと玲汰ってば寝ないの! 夜中だしいつも以上に眠いのは分かるけど……ちょっと大翔、玲汰のことちゃんと支えてよ。ほっといたら廊下で寝るんだから」


「いやいや支えてるっての。つか相変わらず騒がしいな、お前ら……」



──その光景は、さすがに俺の許容を上回った。

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