嘘つきお嬢様は、愛を希う
「マジかよ……」
隣で呆然と呟く天馬だが、その体からは良い感じに力が抜けていた。
まあこれだけ圧倒的な強さを見せつけられたら、もう怖いものなんて何もないだろう。
「つくづく敵じゃなくて良かったわね」
「ほんとだよ。兄さんももはや誰?って感じだし」
「死ぬほど恐ろしいっすよ、あれが敵だったら」
瀬良、風汰、天馬。
俺の隣に並んだ幹部たちの顔には、その言葉とは裏腹にこの先へ進む覚悟がしっかりと宿っていた。
なんだかんだ言いつつ、こいつらもあの人達とそう変わらない強さを持つ──俺の選んだ五代目メンバー。
……なんの不安もねえよ、バカ。