嘘つきお嬢様は、愛を希う
「そういや、サリさんたちやっと結婚するらしいぞ」
「えっ、そうなの!?」
「ああ。桐乃にも招待状渡しといてくれって頼まれた」
そっか、そうなんだ。
サリさんと雅さん、とうとう結婚するんだ……。
出会った時は婚約者だって言ってたのに、なかなか結婚の報告がないから、内心そわそわしてたんだよね。
自分のことのように嬉しくなって顔を綻ばせると、少し面白くなさそうな顔をした理月が私の頬をむにっとつまんだ。
「ばーか。他人事じゃねえだろ」
「へっ」
「お前、今日何しにここへ来たんだよ」
「あ……え? そういうこと?」
頬の熱が再燃する。
ふたたび会えたことが嬉しくて、さすがにそこまでは考えていなかった自分が恥ずかしい。