嘘つきお嬢様は、愛を希う
う、嘘でしょ……!?
気づいた時には、襲ってきた男の手を思い切りひねりあげていた私。
いくらとっさの反応だったとはいえ、あまりに突飛な自分の行動に呆然とする。
もちろん体格差は歴然。
それでも、力で敵わない相手にも対抗できるように、私は幼い頃から数多くの護身術を仕込まれている。
正直、やろうと思えば、この男たちの意識を全員飛ばすことも不可能じゃない。
まさかこんなところで発揮されるとは思っていなかったけど、これははなから──。
「ふざけんなよテメェ……!」
護身術がどうのとかいう問題じゃない。
こんなあからさまに怖いヤツらを相手に、女ひとりで戦うなんて選択肢は無謀にもほどがある。
無理、絶対無理っ!
ギラつく男達の目に命の危険を感じた私は、ひねりあげていた手を離して、とにかく逃げようと背を向けた。