嘘つきお嬢様は、愛を希う


「ちょっ……」


「ほらよっと」



ドサッと落とされたのは、びっくりするほどクッション性のあるふかふかなソファの上。


困惑したまま転がる私の隣に自らも腰をおろすと、彼は面白そうにくつくつと喉を鳴らした。



「マヌケな顔してんじゃねえよ、チビ」


「ま、まぬ……チビ!?」


「お前、名前は?」



なんだこいつ、ぜんっぜん私の話聞いてない!



「あんたこそ誰なのよ! 人に名前を聞く前に自分から名乗るのが常識でしょう!」



思わずカッとなって言い返すと、男は一瞬だけ驚いたように目を瞬かせた。


──かと思ったら、今度はお腹を抱えて爆笑し始める。

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