嘘つきお嬢様は、愛を希う


「良いな、それ。面白え」


「な、なにが……、っ!」



やっとのことで起き上がった次の瞬間、ドサッと後ろに押し倒される。


ぐるりと反転した視界に目を剥いて、目の前に迫りくる顔を凝視した。



「反抗するやつを組み敷くのも悪くねえな。……ま、お前みたいなチビに興味はねえけど」



私の上に覆いかぶさったまま、男は言葉に反して試すように目を細める。


その漆黒の瞳に捉えられ、全身の血が沸騰するように急速に熱くなった。


かあっと顔が赤くなるのを感じながら、私は気力だけで男を睨み返して声を荒らげる。

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