嘘つきお嬢様は、愛を希う
ここ、どこだろう。
覚めきらない眠気で気だるい体を起こし、私は戸惑いながら辺りを見回してみる。
一瞬だけ自分の家にいるような錯覚を覚えたけれど、そうではなかった。
私はこんなに大きなベッドに寝る趣味はない。
三人は余裕で寝られそうなキングサイズのベッドの中心で、やっと覚醒してきた頭を横に振る。
「今、何時なんだろう……」
窓から一筋の線を描いて差し込む月明かりは、ずいぶん夜がふけていることを告げているようだった。