嘘つきお嬢様は、愛を希う


──けれど、そんな簡単にいくはずもなく。



「おいテメェ」



乱暴に手を掴まれ、ぐいっと力任せに引き戻される。


そのまま、今度は私の方がひねりあげられた。



「いっ……!」



全身に響くようなズキンとした痛みに、思わず顔がゆがむ。


まずい、まずいまずいまずい……!


男たちに囲まれたまま重力に反してつりあげられ、声にならない悲鳴をあげる。


も、無理……っ!


とうとう足先が地面から離れそうになり、さらに増す痛みと恐怖にじわりと視界が滲んだその時。


──私と男たちの間に大きな影が落ちてきた。



「……相変わらず、ガキどもの躾がなってねぇな。女子供に手ぇ出すとは、男の風上にもおけねえ」



そんな声が辺りに響いた次の瞬間、「うがっ!」という苦痛の声が耳をつく。


同時に掴まれていた手を離されて、急激に重力が体を地面へと引き戻した。



「っ……!」



突然のことにそのまま膝から崩れ落ちそうになるけれど、ふっと目の前に現れた誰かの手に受け止められる。

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