嘘つきお嬢様は、愛を希う
「話は聞いたよ。桐乃ちゃん、天馬のお姉ちゃんなんだって?」
ベッドの端っこに浅く腰を下ろしながら、忍崎さんは遠慮がちに私の方へ顔を向けてくる。
「……まあ、一応は」
あいまいに頷きながらもハッキリと肯定出来ないのは、それなりの理由がある。
血の繋がりでいえば、私は間違いなく天馬のお姉ちゃんだけど……。
自分自身の不安定な立ち位置を考えると、なんとも言いようがない。
ここで根掘り葉掘り訊かれても困るので、私は「それより」と話題を変えた。