暴君と魔女
その笑みで安堵させ、
嘘ばかりの言葉で叶う事のない未来を口にした女。
まんまとその声音に惑わされ、
信じて気を許した瞬間に見えない檻に閉じ込められ飼い殺しにされた。
その愛を得たと思ったのは俺の過信か、
甘く一夜の夢の様に記憶鮮明に消えた姿。
体がはっきりと記憶する熱に、
耳にはっきり残る声に、
目に残像の様に張りつく頬笑みに体の全てが渇望する。
それが無いと・・・生きていけないと。
俺の生きる気力の大半を奪うほど四季の存在が大きくなっていた事を・・・、
失ってから完全に理解する俺はただの愚者だ。
ああ、本当に、
お前は俺の全てを狂わすんだな。
『望様・・・・』
その声が、今は何より恋しい・・・・。
お前が最後に見た物は・・・、
俺と離れてでも守りたかった事なのか?