柴犬のお尻愛好会
この状況で期待するなと言う方が無理である。
恋だなんだと気になる年頃なのだ。
副島が俺のことをそんな風に見ていたなんて知らなかったし、クラスでも可愛い方の女子という程度の認識しかなかったけど、
放課後に真剣な顔で二人きりとくれば、アレだ。
そう、告白!
今まで十六年と少し生きてきて、告白なんてされたことのない俺は、知らずと頬が緩んでしまう。
イケメンでもなんでもない俺のことを好きになってくれる女子がいるなんて、考えたこともなかった。
「あ、あの……」
副島はとうとう何かを言いかけた。
俺の心臓はドキドキと早鐘のように脈打つ。
いよいよだ。
と期待しながら待った副島の言葉は不可解なものだった。
「柴犬のお尻愛好会に入りませんか!」