柴犬のお尻愛好会
「で、えーと、なんだっけ。柴犬の……?」
「お尻愛好会です」
「って、何する部活なわけ」
「何する……」
むむむ、と副島がうなりだし、うつむく。
副島は俺より二十センチくらい背が低いので、うつむかれると顔が見えない。
というか、俺に表情を見られたくなくて、わざと俯いているとか。
そこまで考えて、もしや……と思いつく。
「まさか、部活内容が決まってないなんてこと、ないよな」
少しかがんで、副島の顔をのぞき込むようにして尋ねた。
副島はとっさに目をそらす。
これは当たりだ。
「部活内容の決まってない部活なんてあるわけ?」