柴犬のお尻愛好会
「メロメロになんかならないし、そんな変な部活には入らないから」
「変。変って言いました? 可愛い柴犬のお尻を愛でる素晴らしい同好会なのに!」
「そんな部活聞いたことないし!」
「では、全国にこの活動の素晴らしさを広めましょう。そうしたら、どこの学校にも柴犬お尻愛好会が……」
「できないから!」
副島の言葉を遮るように言うと、副島は頬を膨らませて不機嫌な顔をした。
あああ、こんな顔も可愛いと思ってしまう俺、やばくないか。
何よりもだ。
クラス委員で、真面目で大人しい女子だと思ってたのに、
柴犬のことになれば興奮する変な女子だったなんて、ちょっとショックだ。
男の幻想を返してくれ。
「とにかく」
副島はコホンと咳払いをすると、脱線していた話を戻した。