海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
牛乳飲めるようになったって……?
「海、中学のとき言ってたじゃん。牛乳はこの世の飲み物じゃないって」
「やめて。声でかい」
「俺のボリュームいっつもこれくらいだろ~!」
「てゆか、そんなこと言ってないし」
「いいや、言ってた!牛乳飲む人の気が知れないってな!」
「ほんと黙って。俺の一番好きな飲み物牛乳だから覚えといて」
「まじでー!?いつから!?」
「ずっとそうだし」
よくしゃべる海くんが新鮮でずっと聞き耳を立ててしまった。
海くんも牛乳好きなんだなぁ。
わかるわかる!おいしいよね!
わたしは残りの牛乳を飲み干しながら、心のなかで勝手に共感していた。