海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「律花。リラックスね」


「う、うんっ」


なかなか綺麗に書けた日進月歩。


だからこそ、名前を書くのに緊張しちゃう。


「律、...花...っと。

よーし、完成!!」


「律花おつかれ!!」


「美帆ちゃん手伝ってくれてありがとう~!!」


「わたしなんもしてないって!

それじゃ、わたし妹迎えに行かなきゃ。ごめんね!」


「ううん!!

また明日ねっ!」


「ばいばーいっ!」


美帆ちゃんは荷物を抱えて笑顔で書道室を去っていった。


美帆ちゃんには年の離れた妹がいて、保育所に預けている。


今日はお母さんは仕事のため、美帆ちゃんが迎えにいく曜日なのだ。

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