海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
だけど、わたしの考えは的外れで、
彼が去っていく足音は聞こえてこない。
それどころか、こちらに近づいてきているのがわかる。
これはもう、寝たふりを続けるしかないよ...。
海くんの......視線を感じる。
視線というものは、こんなにも感じることができるものだったのか。
視線というものは、こんなにも熱いものだったのか。
...海くんに、見られてるだけなのに。
今、わたしの心のなかは、平常心とはほど遠いものとなっている。