海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


読んで、一番に感じた感想。


主人公は......この近所のお姉さんが好きなのではないか?


それとも、嫌ってる?


どちらにもとれる。


そこがこのお話の肝だろう。


でもわたしは直感的に......“好き”のほうだと思った。


「...どっちだろうね」


海くんがつぶやいた。


「む、むずかしいね」


好き......。


......自意識過剰かもしれないけど......


やっぱり、海くんはわたしのことが......好き?


じゃないと、おかしいよ。


海くんは、好きでもない女の子の頭を、あんなにふうに優しく撫でるの?


あんなに甘い声で、名前を呼ぶの?


...だけど、わたしのバレンタイン、受け取ってくれなかった。


もし、あのとき受け取ってくれていたら......


ああ、なんだか頭が痛くなってきた。

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