海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「...折山さん。もしかして、体調悪いの?」


ふいに投げ掛けられ、ドキッとする。


「う、うん。頭が痛くて」


そう答えておこう。


そしたら、あまり話さずにすむだろうし...。


そう思っていたのに。


「ーー先生。折山さんが体調悪いそうなので、保健室に連れて行きます」


「折山、大丈夫か?

佐久間、たのんだぞ」


「行こう、折山さん」


わたしは戸惑いながらも小さくうなずいて、

ただ海くんの後ろに着いていくことしかできなかった。

< 109 / 220 >

この作品をシェア

pagetop