海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
「...折山さん。もしかして、体調悪いの?」
ふいに投げ掛けられ、ドキッとする。
「う、うん。頭が痛くて」
そう答えておこう。
そしたら、あまり話さずにすむだろうし...。
そう思っていたのに。
「ーー先生。折山さんが体調悪いそうなので、保健室に連れて行きます」
「折山、大丈夫か?
佐久間、たのんだぞ」
「行こう、折山さん」
わたしは戸惑いながらも小さくうなずいて、
ただ海くんの後ろに着いていくことしかできなかった。