海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
「お兄ちゃん!今アイス100円だって!!」
人気のアイスクリーム屋がシングル100円セールを開催していて、
陽葵は目をキラキラさせてアイスクリーム屋と俺を交互に見上げる。
「帰ったらちゃんとお母さんのお手伝いする?」
「うん!ぜったいする!!」
「仕方ないなあ」
俺もなかなか妹には甘い。
俺と陽葵は10人ほど並んでいるお客さんの最後尾に並んで、
順番が来るまでになんのアイスクリームにするか選んだ。
俺はラムネソーダ、陽葵はイチゴミルクにした。