海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
「...お兄ちゃん...」
200円のお会計を済ませ陽葵にコーンのイチゴミルクアイスクリームを渡そうとしたら、
陽葵は泣きそうな顔で俺を見上げていた。
「どした?」
「...ごめんなさい。ポケットのなかに、これ入ってた...」
陽葵がポケットから出したのは、さっき洋服屋さんに置いてあったお花の髪飾り。
値札がついていて、陽葵はどうやら売り物を無意識のうちにポケットに入れてしまったようだ。
俺はあわててその髪飾りを受け取った。
「今からお店に返しに行くから、ここから動かず待っとくんだよ?」
「...うん」
陽葵にアイスクリームを2つ預けて、さっきの店に急いで向かった。
ちゃんと謝ると店員さんは許してくれた。