海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
春休みが終わり、今日から2年生。
俺はクラス表を見て、“リツカ”という名前があることに気がついた。
折山律花...、
もしかして、あのときのあの子であろうか。
いやでも、別のリツカかもしれない。
折山さんがこのクラスに入ってきて、
折山律花=あの子と知ったとき、俺は素直にうれしくなった。
だけど、そのときは今みたいに“好き”なんて感情はなかったと思う。
ただ、妹にアイスをぶつけられたのに、
自分のアイスをあげた心の優しい子なんだな、と思っていた。