海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


日直と言っても、なにかしらの仕事を任されることもなく放課後となった。


現在、海くんとふたりきりの教室。


今日は金曜日だから、日直は教室のゴミ捨てをしなければならない。


月から木曜日だったらゴミ箱がいっぱいだったらゴミ捨てをするけど、金曜日には、たとえ少なくてもゴミ箱を空にしなければならないのだ。


昨日の日直、絶対ゴミ捨てしなかったんだろうな。


それくらい、ゴミが溢れ返っている。


さてと、やりますかぁ。


「折山さん。ゴミは俺がするから、折山さんは黒板消してもらってもいいかな」


ゴミ箱に近づこうとしたら、海くんにそう言われた。


1~4限の黒板消しを海くんに頼んだから、最後くらいわたしがしないとね。


「うん、わかった!」


二人きりの教室で、やけにわたしの声が響いた。

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