海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
「いった...」
なんでこんなところに壁があるんだよ。
なんて理不尽なことを思ってしまう。
「アハハッ!海だっさー!!」
後ろから斗真の笑い声が聞こえてきた。
振り向くと斗真は爆笑していた。
よりによってコイツに見られるとは。
いや、むしろ他人に見られるほうが嫌か。
折山さんに見られなくてよかった。
「うるせえな...
どうせ俺はダサいよ」
ほんと、最後の最後までカッコ悪い。
俺がこんなカッコ悪いやつじゃなかったら、折山さんは俺を好きになってくれただろうか。