海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


わかってる?

わたし、海くんにオトされたんだよ。


ーー海くんのことが、好き。


心の中でその言葉を並べたと同時に彼の茶色い瞳と目があって、

急に恥ずかしくなって体温が上昇してくるのがわかった。


「今のはスルーして...、

え...折山、さん?」


今、名前を呼ばないで。


こっちを見ないで。


うわ、なにこれ止まらない...。


自分でも予想外にカアアアーーと頬が紅潮してきてあっという間に熱を持つ。


ここは渡り廊下で完全外で寒いはずなのに、

今、ものすごく全身が熱い。

< 170 / 220 >

この作品をシェア

pagetop