海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
わかってる?
わたし、海くんにオトされたんだよ。
ーー海くんのことが、好き。
心の中でその言葉を並べたと同時に彼の茶色い瞳と目があって、
急に恥ずかしくなって体温が上昇してくるのがわかった。
「今のはスルーして...、
え...折山、さん?」
今、名前を呼ばないで。
こっちを見ないで。
うわ、なにこれ止まらない...。
自分でも予想外にカアアアーーと頬が紅潮してきてあっという間に熱を持つ。
ここは渡り廊下で完全外で寒いはずなのに、
今、ものすごく全身が熱い。