海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
言葉にならなくてうつむいて両手で顔を隠す。
「折山さん。
俺...勘違いしちゃうよ」
今のわたしには、海くんの声は効果絶大だ。
名前を呼ばれただけで、
心が震える......。
「...勘違い......じゃないよ」
これしか言えない。
そう言うので精一杯だ。
......何秒経っても海くんからの返答がなくて、チラリと目線をあげる。
すると彼の頬もわたしと同じくらい真っ赤になっていた。