海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
ふたりして赤くなっているおかしな光景だ。
口を開いてくれたのは海くんだった。
「それは、つまり......俺のこと......」
ここから先は俺の口からは言えない、というように言葉を止める彼。
わたしがゆっくりとこくりとうなずけば、
彼の頬はさらに紅潮した。
「海くん、真っ赤...」
「...言わないで」
「可愛い...」
「折山さんのほうが100倍可愛いから...」
「...っ...」
「...夢、みたい」
海くんはそうつぶやいて、わたしの手を思わずといったように握ろうとしてきたけど、
ハッとしたように引っ込めた。