海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
「...っ!?」
わたしに手を繋がれたまま制止する海くん。
これでもかっていうくらい目を丸くしてる。
そ、そんな驚く!?
まるでわたしがめちゃくちゃ恥ずかしいことをしているみたい。
抱きついたりしてるわけじゃないのに。
...やっぱり、人前だといやな人なのかな。
そういう人もいるもんね。
それなら仕方ないか...。
ちょっと残念だけど、繋ぐのはやめよう。
そう思って離そうとした...けど。
離れかけた手を、彼は今度は自分から繋いでくれた。
そしてそのまま歩き出す。
わたしは胸がきゅーんと鳴った。
どうしよう。
めちゃくちゃうれしい。
にやけちゃう。
海くんの顔、見れない。
それはどうやら彼も同じなよう。
このときはじめて放課後一緒に帰る以外にカップルっぽいことをした。