海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
黒板消しで黒板の下から3分の2は完璧に綺麗に消せた。
でも...上の3分の1が届かない。
最終的には海くんに頼むとして、自分で消せるところまでは消したい。
そう思ってわたしは必死に背伸びをしたりピョンピョン跳び跳ねたりした。
もー、届かないっ!!
今だけ腕が伸びたらいいのに!!
「ブッ」
わたしが一生懸命チョークの文字を少しでも消していると言うのに、
そのとき後ろからそんな吹き出すような音が聞こえてきた。
わたしは聞き間違いかと思いゆっくりと後ろを振り返る。
そこには明らかに吹き出したあとの表情の海くんがいて。