海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
わたしは予想外の展開に息を飲む。
上からわたしを見下ろす彼と目があってーー
今までにないくらい、心臓がドキッ!と跳び跳ねた。
だって...
海くんが、別人みたいで。
いつも無気力で教室で寝ている彼とはちがうし、
さっきまでわたしにへたれと言われた彼でもない。
......男の人の、表情。
そしてわたしの唇と彼の唇がまるで透明な糸で繋がれているかのように、また、真っ直ぐにキスが降ってきた。
「律花...」
甘い甘い、声。
「ん...っ」
それ以上に、甘い甘い、全身がとろけてしまいそうなキス。