海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
キスで失神してしまうなんてはじめてだ。
だけどわたしはそのあいだ...雲の上にいるような夢を見た気がする。
目を覚ますと視界に入った天井はわたしの部屋とは違うもので、5秒後、わたしはすべてを思い出した。
ガバッ!
勢いよく上半身を起こすと...
ベッドの横には海くんがいた。
...わたしに向かって土下座をして。
「...海くん!?」
どうしてそんな格好!?
わたしの声に、彼は勢いよく頭を上げて、ミルクティー色の髪の毛がファサリと揺れた。
「律花!ごめん...!!!」
海くんは心からそう言うと、また、今の体勢のまま頭を下げた。
えええ!?
そんなふうに土下座されるなんて、人生でそうそうないよ!?