海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「身長高いとやっぱりいいね」


「男はそうかもね」


「何センチなの?」


「178」


「じゃあ、わたしと29センチ差だ!」


「ってことは、折山さんは149?」


「うん。まあ嫌なわけではないんだけどね」


「あと1センチほしい」


「ええ?それ以上ほしいの?」


「29って中途半端」


「それってわたしと比べただけだよ~!」


「...」


黒板を消し終わったけれど、最後に黒板だけではなく、黒板消しをクリーナーで綺麗にしなければならない。


わたしはクリーナーのスイッチに指をかけた。


「折山さんって......好きな人、いるの?」

ウイーーーンーー


わたしがスイッチを押して、クリーナーからの大きな音と海くんの言葉が重なった。

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