海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
「律花~、同じクラスじゃん!」
始業式が終わり、305の教室にゾロゾロと移動する。
途中、後ろからポンと肩をたたかれ声をかけられた。
「あー!理佐(りさ)!5組だったの?」
「そうそうー!」
一年のとき同じクラスだった理佐。
理佐とは美帆ちゃんと同じくらい気が合うから、同じクラスでうれしいなあ!
「そういえば、佐久間くんと付き合ってるんでしょ?」
そう尋ねられ、わたしは「うんっ」と小さくうなずいて答えた。
「話聞かせてよ~!たしか佐久間くんと同じクラスだったよね?運いいやつめ~!」
「わたしもまさか同じになるなんてびっくりしたよ~!?」
そんな会話をしながら教室まで向かっていると。
ーーどんっ
理佐のほうを見ていたわたしは、うっかり前にいた女の子にぶつかってしまった。