海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「折山どーした?なんか顔むすっとしてるけど」


「え、そんな顔してる!?」


「おー、してたしてた、珍しいな!」


「珍しい?」


「折山っていっつもニコニコしてるイメージだからさ!」


「そうかな」


田中くんに表情をつっこまれ、わたしはハッとして口角をあげる。


3年生になって一週間。


理佐をはじめ、近くの席の子たちとも仲良くできてきて安心している。


わたし、むすっとしてたなんて...。


だけど、無意識ってことはそれがわたしの本心ってことだよね。


田中くんにつっこまれ、そう自覚する。

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