海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「真琴ちゃん?」


「ッ!!なんだよ」


いきなりのわたしの登場に驚いている彼女。


「席、借りてもいいかなあ!?」


「...勝手に使えば」


真琴ちゃんはわたしとは目を合わせず、それだけ言うと教室から出ていってしまった。


なんだか無愛想...。


それはまさに海くんへの態度とは正反対で。


真琴ちゃんはいつもクールなかんじだから、むしろ、海くんへの態度のほうが、珍しい。


もしかして真琴ちゃん...


海くんのこと、好き、とか...。


そんな考えがモワモワと浮かんでくる。

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