海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


海くんを信じてるし、彼といると、安心できる。

それは間違いない。


...だけど...


わたしの胸がモヤモヤしてしまうのは、紛れもない事実。


だって、...海くんと真琴ちゃんは、あれから相変わらず仲がいい。


わたしは今びっくりしている。


だって、海くんのケータイ電話をふたりでのぞき込んでいるから。


距離が近いし、海くんがそんなことするなんて、今までだったら考えられない。


話すだけならまだしも、そんな近いなんて、やだよ...。


真琴ちゃんはだれにも向けたことがないような瞳でケータイをのぞいてる。


なに見てるんだろ......。


真琴ちゃん、やっぱり海くんのこと好きなのかな。そうとしか考えられない。


これはさすがにヤキモチ妬いたっていいよね?


嫉妬したっていいよね?


だけど、そのふたりのあいだに今から割って入るなんて、そんな勇気はあるわけない。


わたしはその休み時間のあいだ、ふたりを見ないように机に顔をふせた。


だけど、授業が始まっても胸はずっとモヤモヤしていたーー。

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