海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「ほんとにほんとにごめんなさい...!!」


謝っても謝りきれないよ...。


「なんだ、そんなこと」


海くんはなぜか安心したようにそう言った。


そんなこと...!?


普通、多少は怒ったりするはずじゃ...?


「近いうちに弁償するから...ほんとにごめんね」


「いいよ、弁償なんて。あれ、安物だし」


「安いとか高いとか関係ないよ...!」


しかも、絶対安くないでしょ!!


「ほんとにいいから。気にしないで?貸したのは、俺なんだし」


「そんなの気にするに決まってるでしょ...!!」


気にしないほうがおかしい!!


海くんは少しの間ののち。


「だったら...」

と小さく口を開いた。

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