海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「だったら、なに...!?

わたし、なんでもする!!」


海くんを真剣に見つめる。


すると彼はパッと目をそらして困った顔をした。


「なんでもするなんて、そんなこと、言っちゃダメだよ」


「わ、わたしができることなら、する...」


「うーん...」


彼はお願いを躊躇しているみたい。


「なにかしてほしいことあるなら遠慮なく言って!!」


じゃないとわたしの気が収まらないよ!!


「それなら、マフラー、選んでほしい」


わたしは彼の小さな小さな声を一生懸命聞き取った。


「新しいマフラーってこと?」


「うん。だめならいいんだけど」


「だめなわけない!!うん、選ぼう!!」

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