海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「そういえば、弟があのもちもちおやき?食べたいって言ってた!買って帰ろうかな」


ソフトクリームを食べ終わるころ、わたしはそんなことを思い出した。


チラシ見ながらコレ食べたいー!!て騒いでた。


「優しいね、折山さん」


優しいのは海くんでしょう!?


「さっきよりは人減ってきたね!」


よーし、押し潰されないように頑張って買いに行こ!!


「そうだね。

ーーあ、折山さん、ついてるよ」


その言葉とともに伸びてきた彼の指。


その指はわたしの唇の端のほうをそっとなぞって。


ペロリ。と指に付いた白色のソフトクリームを彼は舌でなめた。


「...っ!?」


今度はわたしが固まってしまう。


海くんはハッとしたように。

「っご、ごめん!!妹によくやるから、つい癖で...!!」


さっきのまんま真逆だ。


わたしは思わずふふふと笑ってしまう。


すると海くんも照れたように笑った。


海くん絶対天然だよ。

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