海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
「海くん見て!もちもちおやきの見本とかある!」
おやき屋さんにつくと、
そこにはどれほどもちもちなのか感触を確かめられる模型の見本があった。
「すごーい!もっちもち!!」
「どうやったらこんなもちもちに作れるんだろうね」
「ほんとだよね!!」
「......折山さんのほっぺたみたい」
「...」
まるで無意識のようにつぶやく彼に、わたしはどのように突っ込みを入れたらいいのかがわからない。
「それは......ほめてるのかな?」
「あ、あ、えっと、はい。褒め言葉です」
「なんで敬語っ」
「なんでだろ」
「海くんって面白い」
「それこそほめてる?」
「ほめてる!!」
そんな会話をしながらわたしはおやきの5個セットを選んだ。
ついでに海くんも“俺も家に買って帰ろうかな”と同じものを購入した。