海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「わー!可愛い!」


冬らしいクマの置物とか、ケーキみたいな小さなスタンドとか、全部可愛い!!


「どんなものがいいとかはあるの?」


「そうだな~。

お母さんはお花が好きだから、花柄のものをよくあげたりはしてるんだけど」


「そうなんだ。

もしかして、だから折山さんの名前にも“花”がつくの?」


海くんはあっと気がついたようにそう言った。


「うん!そうそう!“花”を入れたかったみたい」


「...ぴったりだね」


小物を手に取りながら告げる彼。


...まるで、わたしが花みたいな女の子、て言ってるみたいだよ...?


まさか、そんなうれしいことを思ってくれているわけないのに。

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