海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
「う、海くんの名前の由来はあるのっ?」
わたしは恥ずかしくなって慌てて質問した。
すると海くんは
「7月16日。海の日に生まれたから」と小さく笑いながら言った。
「そうなんだ~!!」
「折山さんの誕生日はいつなの?」
「何月に見えるっ?」
「うーん。...4月とか?」
「え!正解!!一発とかすごーい!!4月30日だよ!」
「覚えとくね」
「うん!わたしも覚えとくねっ」
「...あ、これとかどう?」
海くんは立ち止まってとある小物を指差した。
それはガラスの写真たて。
ガラスの中にピンクと黄色のお花が埋め込まれている。