海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「海ー!!」


休み時間。


中村くんが飛び込むように海くんの元へとやってきた。


「なに?」


寝ていた海くんはめんどくさそうに顔を上げる。


「なあなあ、この問題教えてくんね?」


中村くんが持っているのは今日このクラスでも返された数学のテストだ。


当たり前だけどどのクラスでもやってるんだな。


わざとじゃないけど中村くんの点数がわたしの視界に入った。


61!!


わたしより10点も上...。


自分がどれだけ馬鹿なのか思い知らされる。


たしか、去年同じクラスだったとき、わたしと中村くんのふたりだけ点数が悪すぎて個別に課題を出された記憶がある。


なのにどうして中村くん!!


きみ61点なんて取れる頭じゃなかったじゃないかー!!


「っあ、折山は何点だった?」


中村くんは海くんと話していたのに、急にこちらを振り向いてそう聞いてきた。

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