海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


わたしはまさかそんなことを聞かれるとは思わず、びっくりして一瞬戸惑う。


中村くん、わたしが数学苦手なの知ってるくせに!!


「そうだ!去年さ、覚えてるか?俺と折山だけが点数悪すぎて個別に課題出されたの!」


「!!」


ちょちょちょ!!


そんなこと大きな声で言わないでよー!!


中村くんからしたら笑い話かもしれないけど、わたしからしたら恥でしかないんだから!!


しかも、海くんもこっち見てる。


...あぁもう、さいあくだー!


「...折山さんと斗真って仲いいの?」


海くんは数学のことについては触れず、そんなことを尋ねてきた。

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