海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
「どの問題がわからないの?」
海くんはわたしの向かいに座った。
テーブルは教室の机より大きいから、なんだか微妙な距離。
「えっとね、最近一番苦手なのは、証明の問題で、まったくわからなくて...」
今日返却されたテストでも、証明の問題が3問あったけど全滅だった。
しかもそれの配点が1問5点あってその時点で15点マイナス。
「証明か。証明は苦手な人多いよね。そういえば今日返されたのにも証明の問題あったよね、あのテスト用紙持ってる?」
そう尋ねられ、わたしは一瞬止まってしまう。
持ってるけど...、点数見られちゃう...。
そんなわたしに気づいて気をきかしてくれたのか、海くんは自分のテスト用紙を出してくれた。
そこに輝く98の文字。
わあ、まぶしい...!