海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「じゃあ、まずこの等式の証明からやってみようか」


「は、はい!!」


海先生!!


「まず、等式の証明は、証明の仕方が3つある。1つ目が、左辺を計算したら、右辺と同じになる。2つ目が、右辺と左辺両方計算したら、同じになる。3つ目が、左辺引く右辺が0になる。ここまでいい?」


海くんはこの説明だけでもゆっくりゆっくりしゃべってくれた。


「う、うん!理解できた!...海くん、そっちよりこっちのほうがやりやすいんじゃない?」


向かいより、隣に来たほうがわたしと同じ向きに文字が見えるし...。


「...。そうだね」


彼は1秒ほど間を開けてから、こちらに移動した。


教室より、近い。


「えっと...とりあえずまずは解説するね。最初に左辺と右辺を別々に書き出してーー...」

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