海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


駅に着いて。


わたしが乗る方面の電車が、ダイヤの乱れで10分ほど遅れていることがわかった。


「今、**駅で止まってるって書いてるよ」


海くんがケータイで調べてくれた。


「10分程度でよかったね」


「うん、よかった~」


こんな寒いなか30分も1時間も待つのは勘弁だもんね。


「...海くん、もしかして一緒に待ってくれてる!?」


一緒にベンチに座る彼にわたしは驚く。


「...そのつもりだけど」


「ええ!?いいよいいよ!帰って大丈夫だよ!?」


「どうせ家帰っても暇だし」


「お腹すいてるでしょ?」


「あんまり」


「眠いでしょ?」


「そこまで」


「寒いでしょ!?」


「それはまあ」


「もう~」


なんかわたし海くんにめちゃくちゃ甘やかされてる気がする。


いいのかな。

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