海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
ーーー
“大事な用事ってなに?当日に言われても困る!今日は塾の手伝いしてって前から言ってたでしょ!”
おそらく海くんのお母さんからのメールの通知。
「......ん~...」
わたしはお風呂も歯磨きもトイレも済ませ、もう寝る準備万端。
だけどなんだか眠たくなく、ベッドでゴロゴロしている。
「.........海くん」
彼の名を自然とつぶやいてみる。
海くんは今日きっと塾の手伝いをする予定だったんだ。
だけど、わたしが勉強教えてって頼んだから、それを優先してくれた...?
そういうことになる。